写真とドローイングの境界を溶かすように表現の可能性を拡げていくスタイルで注目されている藤原更の個展「Melting Petals」が、ニューヨークのギャラリー・ARTIFACTで11月1日(日)まで開催されている。
本展では昨年、広尾・EMON PHOTO GALLERYでの展覧会で好評を博したシリーズの新作を発表。藤原の花三部作は2011年から始まる。『Neuma』では「蓮」をテーマに現像時の化学変化を活かした繊細な色彩にも関わらず強い印象の作品を制作し、このシリーズがニューヨークからのラブコールの発端となった。2014年『La vie en rose』では「薔薇」を被写体にして光の考察を進め、フランスのフォトフェスティバルに招待作家として作品を発表。そして今作『Melting Petals』では被写体はより抽象化され、写真表現は自由度を増している。
本作では、デジタルでの合成作業は行わず、撮影時に決定した画像と記憶を可能な限り大事にしながらプリント制作に時間をかけている。外出自粛時に制作された作品群は、一層豊かな色彩と大胆なコンポジションの作品に仕上がり、藤原の新たな世界の扉を開けた。藤原の眼差しは撮影時ばかりか作品制作時にも偶発性を招き入れ、自然の中に「美」或いは「理」の顕現を知る写真行為をますます開花させてゆく。
タイトル | 「Melting Petals」 |
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会期 | 2020年10月14日(水)〜11月1日(日) |
会場 | ARTIFACT(アメリカ) |
時間 | 12:00~18:00 |
休廊日 | 日~火曜 |
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