パリのLVMHが運営する美術館フォンダシオン・ルイ・ヴィトンが大規模なシンディ・シャーマン展「Crossing Views(交錯する視点)」を開催中だ。展示構成は、シャーマン作品の回顧展とシャーマン自身のキュレーションによる2セクションに分けられる。
レトロスペクティブのパートでは、1975年から2020年までの作品を展示。代表作の「Untitled film stills」「Rear Screen Projections」「Fashion」「History Portraits」「Headshots」、「Clowns」、そして男性やカップルの姿を捉えた新シリーズから300点以上の作品を展示する。最近の未発表作品や2010年代の制作物も披露される。
一方、キュレーションのパートでは、シャーマンがフォンダシオンが所有する作品コレクションの中から作品をセレクトし、「Crossing Views(交錯する視点)」と題して展示する。写真、絵画、彫刻、動画、インスタレーションなど、さまざまなアプローチとメディアを使ったポートレイトと解釈を中心に構成。ほとんどの作品が未公開のもので、シャーマンが選んだのはクリスチャン・ボルタンスキーやヴォルフガング・ティルマンス、ダミアン・ハースト、ルイーズ・ブルジョワなどの国際的アーティスト20名から約60作品。シャーマン作品のアイデアと呼応するテーマを持つものが選ばれた。
絵画や映画、ピエロなどの登場人物に扮し、人のアイデンティティを探求し、現代写真に多大な影響を及ぼしたシャーマン。作品はどれもエモーショナルでヴィヴィッド、鑑賞者の心を揺さぶる。回顧展と“交錯する視点”は彼女の頭の中を覗くことのできる良い機会だ。2021年1月31日まで。
タイトル | 「Crossing Views(交錯する視点)」 |
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会期 | 〜2021年1月31日(日) |
会場 | フォンダシオン・ルイ・ヴィトン(パリ) |
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2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。