大石芳野「さとうきび畑からの風」展が2月10日(水)より銀座・ライカギャラリー東京にて開催される。
戦禍や内乱など困難な状況下にありながらも逞しく誇りを持って生きる人々の姿を撮り続けるドキュメンタリー写真家である大石。1944年生まれで、まだ女性の社会活躍が少なかった時代から活動してきた写真家でもある。本展では、第二次世界大戦で大きな被害を受けた沖縄の地で逞しく生きる人々に焦点を当てた作品14点が展示される。
青空からの太陽光が額にたっぷりと汗を滲ませて、ライカを覗く目に染みてくる。瞬きをしてふと気が付くと、向こうに白髪の女性が佇んでいた。近づいて声をかける。話が弾んでキビ畑の想い出になり、やがて、白髪を手でかきあげながら硬い表情で「戦時中は木々に身を伏せたり…、キビ畑にはよく潜り込んで身を隠しました」と語った。戦時中の苦難話に女性の吐く息は荒くなった。キビ畑からの風が芭蕉布の着物の裾を揺らした。「今から祭りのリハーサル」と、沖縄ならではの涼し気な芭蕉布に草履の姿で彼女は公民館へとゆっくりと歩いた。祭りにサンシン(三味線)も欠かせない。路地を歩くと爪弾く音色があちらこちらから響く。子どもも親しむ日常的な楽器のひとつだ。ある日、すれ違った少女たちが「今からサンシン教室へ行くのよ」と笑顔と明るい声を残して路地の角を曲がった。-大石芳野(プレスリリースより)
タイトル | 「さとうきび畑からの風」 |
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日時 | 2021年2月10日(水)~5月30日(日) |
会場 | ライカギャラリー東京(東京都) |
時間 | 11:00~19:00 |
定休日 | 月曜 |
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