甲斐啓二郎「綺羅の晴れ着 Clothed in Sunny Finery」展が、7月11日(日)までKanzan galleryで開催中。
甲斐は、世界の格闘的な祭事を当事者の目線でとらえた写真集『骨の髄』を2020年3月に上梓し、同年第20回さがみはら写真賞を受賞、銀座ニコンサロンで開催された同名の写真展により、第45回伊奈信男賞を受賞した。
本作「綺羅の晴れ着」はそれに続く作品で、一般的にはだか祭りと呼ばれる祭事を撮影したもの(岡山県「西大寺会陽」、三重県「ざるやぶり神事」、岩手県「黒石寺蘇民 祭」、群馬県「やっさ祭り」の写真を展示)。本展では会場を薄暗くし、闇からイメージが浮き上がるように構成。二枚の大きな作品にはプロジェクターの映像を直接当て、ひとつは闇からじわりと光が広がっていき全体像が見えるように、もうひとつはコロナ禍で中止もしくは規模縮小に追い込まれた祭事の映像を流している。未来は決して約束されることがないということを、いま我々はまざまざと見せつけられているが、それでも未来を手繰り寄せようとする人間は変わることはないだろう。そして、この小さなコミュニティで数百年と続く祭事に、人間が取り戻すべき世界が、生命の発露が見えてくるのではないだろうか。
会期中7月10日(土)17:30からは、空蓮房房主/住職/写真家の谷口昌良と甲斐によるギャラリートーク「見えないモノと写真」が開催される。入場無料・要予約(定員15名)。
タイトル | 「綺羅の晴れ着 Clothed in Sunny Finery」 |
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会期 | 2021年6月19日 (土)~7月11日(日) |
会場 | Kanzan Gallery(東京都) |
時間 | 12:00~19:30(日曜は12:00~17:00) |
休廊日 | 月曜 |
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