岸幸太「連荘 1」展が、8月8日(日)まで新宿・photographers’ galleryで開催中。
岸は、2005年から2020年の15年にわたり、大阪の釜ヶ崎、東京の山谷、横浜の寿町を撮影した写真集『傷、見た目』(写真公園林)を2021年3月に刊行。ドヤ街と呼ばれる場所に暮らす人々の姿や道端に捨てられた物の在りようをとらえた本書は、自らが属する社会の傷として差し出されており、観念や感情の向こう側で無関心に注視するという作者の姿勢が貫かれている。
本展は、写真集刊行後『傷、見た目』の撮影地を継続して撮影することに加えて、東京都墨田区東墨田や東向島、新宿区新宿2丁目、神奈川県川崎市幸区戸手町や川崎区池上町などを歩き、新たに撮影された写真で構成される。薄汚れた壁のカラフルな落書きや町工場のある風景、自らの生活用具一式とともに佇む人、ブルーシートとともに干されている衣類や傘、打ち捨てられたゴミ屑などが、素っ気なく写されている。岸は、街を歩いて普段見過ごされてしまうような風景や人の姿、物の在りようを写真に撮ることでその街の歴史を嗅ぎ取ろうと探究を続けている。
また本展に合わせ、写真冊子シリーズ『連荘』を刊行。今後、展示ごとに刊行が予定されている。
タイトル | 「連荘 1」 |
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会期 | 2021年7月26日(月)~8月8日(日) |
会場 | |
時間 | 12:00~20:00 |
URL |