野村美和「文明標本」展が、10月12日(火)よりIG Photo Galleryにて開催される。
1982年香川生まれ、神戸芸術工科大学でファッションデザインを学んだのち武蔵野美術大学へ編入し油絵を専攻、布を使った制作やペインティングを経て2014年より写真表現に取り組み、2021年、京都芸術大学通信教育学部美術科写真コースを卒業。「自然と人為のかたち」をテーマに、人と自然の関わりについて表現を続けている野村。
本展で発表される「文明標本」は、鉱物の写真と都市社会を撮影した写真を重ねることによって実際にはありえない、しかしありえるかもしれないと観る者に思わせる世界を展開する。そしてその展示方法は、標本観察に用いるプレパラートにフィルムを貼り、ライトボックスに設置。鑑賞者はルーペでそれを「観察」するという形式をとっている。
都市と鉱物が二重写しになったイメージは、長大な時間に閉じ込められた都市を連想させる。変化のない時間の中にとらえられた都市は、はるか昔に滅んだ世界のようでもあり、未来から現在を眺めているようでもある。また、写真が写真がそもそも銀という鉱物によってイメージを物質化できたという歴史を思い起こすこともできる。都市とは、文明とは、時間とは、そして写真とは。いくつもの問いを含む作品である。
会場では作者のハンドメイドによる写真集を販売予定。また、10月16日(土)18:00~より野村とタカザワケンジ(写真評論家・IG Photo Galleryディレクター)によるトークセッションがYouTubeにて配信される。
タイトル | 「文明標本」 |
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会期 | 2021年10月12日(火)~10月30日(土) |
会場 | IG Photo Gallery(東京都) |
時間 | 12:00~20:00(最終日は18:00まで) |
休廊日 | 日月曜・祝日 |
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