現在、東京・幡ヶ谷のgallery communeでは、アメリカ人写真家ジェイク・ラインハートの個展「Laurel Mountain Laurel」が開催されている。本作は、ラインハートの地元ピッツバーグを流れるヤカゲニー川流域という、彼にとってゆかりのある土地を舞台にしたシリーズ。ヤカゲニー(Youghiogheny)という川の名前は先住民の言葉に由来し、その意味は諸説あるが「4つの流れ」という意味を含むともいわれている。植民地化が進み、長い時が流れ、今となってはその真意を知るのは難しい。ラインハートは、4つの小川に沿って旅をしながら、その小川が交差し、それらが混じり合う領域や、川の流れによって生まれた人々や場所のつながりを探っていった。何度も足を運び、この川が象徴するもの、そして過去と現在のこの地域の人々にとって、さまざまな形でこの川が意味するものに思いを巡らせながら。
かつて栄えた石炭採掘によって引き起こされた土壌汚染、労働者の搾取、先住民迫害などトラウマの歴史、流域に住む人々、植物、動物などのすべての命、翻訳によって失われてしまったもの、そして同地に深いつながりと責任を感じる白人である自分自身と向き合うプロジェクトは、川のような大きなうねりを生み出している。
会場では、ラインハートのプリント作品と合わせて、ロサンゼルスの出版社Deadbeat Clubから刊行された同タイトルの写真集もぜひチェックしてほしい。
タイトル | 「Laurel Mountain Laurel」 |
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会期 | 2022年4月8日(金)~4月24日(日) |
会場 | gallery commune(東京都) |
時間 | 14:00 – 18:00(土日祝は13:00 – 18:00) |
定休日 | 木曜 |
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