「津田直+原摩利彦 トライノアシオト―海の波は石となり、丘に眠る」展が、8月27日(土)から群馬・太田市美術館・図書館で開催される。
本展では写真家・津田と音楽家・原が、群馬に現存する古墳を中心にフィールドワークし、共作で生み出したインスタレーション作品を展示。およそ一万四千基という群馬県の古墳築造数は関東地方では屈指、全国的に見ても数多い地域のひとつといわれている。身の回りには、森となって風景に溶け込んでしまっているものもあれば、整備保存され公園として親しまれているもの、一部または完全に消失してしまったものなどさまざまな状態の古墳がある。消失と出現の狭間をさまよう古墳の風景を、私たちはどう見たらいいのだろうか。
ともすれば「古墳の風景を見る」というと、視覚だけの行為のように思いがちだ。しかし「風景」という言葉が、空気の流れを意味する「風」と、日の光や影を意味する「景」から成り立っていることを考えれば「見えないもの」と「見えるもの」の両方を取り込んで初めて、人はその風景を実感するのかもしれない。見えないものをも掴もうと思考し、身体の全感覚を使って対峙したとき、古墳は私たちの前にどう立ち現れるのか。
津田と原は、海を越えて伝え残された歴史に触れながら、外部から内部へ、明から暗へと、構造的に古墳にアプローチし、巨視的かつ微視的に考察することで、見えないものの領域、つまり古人たちの世界観や時間意識をもとらえようと試みた。その成果を、写真や音/音楽などの手法を用いたインスタレーション作品として表現する。古代のときといまが緩やかにつながっていることを示す彼らの作品を通して、本展が私たちの日常に存在する古墳と出会い直すきっかけとなることを願う。
なお、会期中8月27日(土)には作家によるギャラリーツアー、10月8日(土)にはアーティストトークが行われる。
タイトル | 「津田直+原摩利彦 トライノアシオト―海の波は石となり、丘に眠る」 |
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会期 | 2022年8月27日(土)〜10月30日(日) |
会場 | 太田市美術館・図書館(群馬県) |
時間 | 10:00~18:00(展示室の最終入場は閉館の30分前まで) |
休館日 | 月曜(9月19日、10月10日は祝日のため開館し、翌日火曜日休館)、8月30日(火)、9月27日(火)、10月25日(火) |
料金 | 500円 |
URL | https://www.artmuseumlibraryota.jp/post_artmuseum/182680.html |