谷川俊太郎写真展「楽園 lost & found」が5月27日(土)まで御茶ノ水・gallery bauhaus にて開催中。
谷川がまだ詩人として名が知られる前の20歳から21歳の頃、誰に見せるためでもなく、国産の二眼レフでただ身の回りの美しいものや心に響いた対象にシャッターを切った、1950年代の何気ない日常の写真が展示される。1950年代に書き、撮影された谷川の詩と写真を収めた2冊組『楽園』(Two Virgins)の出版に合わせて開催。
私が初めて手にしたカメラは、リコーフレックスという、ファインダー用と撮影用の二つのレンズが上下についたいわゆる二眼レフでした。シャッター速度を決めるのも、レンズの絞りを決めるのも、今のように自動ではなかったので、経験に頼るしかありませんでした。私は絵を描くのは得意ではありませんでしたから、カメラを手に入れて、ファインダーを覗くと目の前の光景が額縁に収まった一枚の絵のように見えて嬉しく、手当たり次第になんでも撮っていました。1950年代に撮ったフィルムが捨てられずに残っていたのですが、私にとっては懐かしいだけのその時代の写真を見て編集者のOさんが、これを今の人たちに見てもらってはどうかと言ってくれたのです。父母をはじめ身近な友人知人を含むプライベートな写真ばかりなので、あまり気が進まなかったのですが、いつの間にかこんな思いもかけず贅沢なものに変身してしまいました。私としては関わった方々に恐縮しながら感謝の気持ちでいっぱいです。
『楽園』あとがきより
タイトル | 「楽園 lost & found」 |
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会期 | 2023年3月1日(水)~5月27日(土) |
会場 | gallery bauhaus(東京都) |
時間 | 11:00~19:00 |
休館日 | 日月曜・祝日(5月3〜5日は開館) |
入場料 | 【一般・学生】800円 *中学生以下は無料 |
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