野良犬を被写体としたシャルロット・デュマの展示「Charlotte Dumas / A Terra」
人や動物が群れやグループに属する意味を問いかける

現在POSTにてシャルロット・デュマの展示「Charlotte Dumas / A Terra」が2024年1月14日（日）まで開催中。

本展では、イタリア・パレルモに住む野良犬を被写体とした作品シリーズ〈A terra〉を中心に展示される。アムステルダムを拠点に活動するデュマは、これまでに9.11事件の被害にあった人々を救うための救助犬や、アメリカの国立墓地で葬儀のために働いている馬車馬など、人間との関わりの中にいる動物を被写体として制作を続けてきた。2006年春、パレルモの街を見下ろすことのできる宿泊施設に滞在したデュマは、街を観察する中で、そこで暮らす野良犬に関心を寄せるようになった。日陰でのんびり過ごす様子を見たり、夜中に吠える声を聞いたりと観察と撮影を続けているうちに、昼間に港の周辺や露店の肉屋を走り回っている彼らは、夜には丸くなって眠ることに気がついた。その姿は、まるで胎児のようでもあり、墓で眠っているようにも見え、重力と時間性を表してるように感じることができるだろう。

また本展では〈A terra〉のほか、これまでにデュマが刊行した作品集も展示され、会場では水彩画が付属した〈A terra〉のスペシャルエディションも販売中。