東京・蔵前の空蓮房で6月5日より山谷佑介個展「温泉」が開催される。山谷がカメラを手にして間もない15年ほど前から始まった野湯巡り。友人や家族、SNSやZINEで希望者を募り現在も続いている。
一連の実践は、時間を超えても変わらずに存在する自然や人間の姿を記録する撮影行為だけにとどまらず、ありのままの風景に身体を介在させて、人間と世界そのものを捉え直そうとする試みとも言える。
山谷は温泉シリーズについて以下のように語る。
「15年程前から、タイミングを見つけては全国の野湯を求めて山を歩いてきた。自然に湧いている温泉を探すわけだから、もちろん行くまでの道のりも整備されているわけではない。本やネットの情報を頼りに自分の足で探してきた。一人でも楽しくやってきたが、同じ目的を共有できる友達がずっと欲しかった。そこに深い意味はない。それを欲する心は、子供の頃に学校の裏山に秘密基地を作ろうとする気持ちと、あまり変わらない。変わったのは、ずいぶん自分が歳を重ねたことくらいか。自分のSNSで野湯の希望者を募ると毎回何人か連絡をくれるし、写真展に来てくれた人たちはもっとダイレクトに参加表明をしてくれる。そういう人たちを集めて次の野湯探しを計画する。自分以外のメンバーはお互い初めましての人たちばかり。面識のない人たち同士の、半ば強制的なコミュニケーションが始まる。自分を知ってもらう為の自己紹介、振る舞い方。相手を知るための質問と若干の駆け引き。探検が始まる高揚感と非日常への期待感。共通の目的を持った連帯感。そこで生まれるグルーヴは、年齢や時代を超えて、かつてあった感覚を呼び起こしてくれる」
タイトル | 山谷佑介 「温泉」ーAssemblage,Environments & Happenings ー |
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会期 | 2024年6月5日(水) 〜6月28日(金) |
会場 | 空蓮房(東京都台東区蔵前4-17-14長応院内) |
時間 | 10:00~15:00(事前予約制、詳しくは下部URLより) |
休廊日 | 日~火、土曜日、6月14日 |
料金 | 要賽銭 |
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