東京・中野坂上の東京工芸大学 写大ギャラリーにて阿波根昌鴻の写真展「人間の住んでいる島」が開催されている。
阿波根は、 沖縄・伊江島で米軍に対して非暴力の土地闘争を
展開した人物。沖縄戦から10年後の1955年、伊江島では基地拡大を目的とした米軍により、阿波根らの住む真謝区の住民らは住む場所と農地を奪われ、餓死者を出すに至った。「銃剣とブルドーザー」と呼ばれる強制的な土地接収とその後も続いた横暴に対峙するために、阿波根は一台の二眼レフカメ
ラで日々の出来事を記録。カメラによる記録を抵抗の手段としたのだ。阿波根らは島でたった一台しかなかったそのカメラを代わる代わる使い、軍事演習が引き起こす被害や米兵による暴力、「乞食行進」と呼ばれる行脚の様子などを記録し、米占領下で不可視化されていた離島の出来事を可視化した。
阿波根は、唯一の写真集『人間の住んでいる島』(1983年)を残している。2002 年に亡くなるまで平和の大切さを訴え続け、「沖縄のガンジー」とも呼ばれる。
東京工芸大学は、『人間の住んでいる島』の編集を手がけた張ヶ谷弘司のもとで保存されていたプリントを収蔵すると同時に、残されたモノクロネガフィルム約3600枚をデジタル化し、新たに銀塩プリントを制作。ネガの中には、伊江島の日常のスナップや住民たちのポートレイトが数多く含まれており、阿波根が守りたかったものが何だったのかを垣間見せる。写真史的にも稀有な記録が展示される。
タイトル | 阿波根昌鴻写真展「人間の住んでいる島」 |
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日程 | 2024年11月5日(火)~2025年1月31日(金) |
会場 | 東京工芸大学 写大ギャラリー(東京都中野区本町2-4-7 5号館2F) |
時間 | 10:00~19:00 |
休廊日 | 木・日曜日、祝日、2024年12月26日(木)〜2025年1月5日(日)、1月16日(木)〜1月19日(日) |
URL | https://www.diesel.co.jp/ja/art-gallery/ |