私たちの認知している世界は、物理的な感覚と経験を超えて、メタ的な情報に支配されつつあります。その世界の真実在、その世界の普遍的な原理についての思惟は未だ歴史が浅く、整理のつかない状態にあります。
私たちはしばしば、現代が歴史の最先端にあるということを以て、科学と技術により、自分たちが知り得ない世界は有り得ないという根拠のない万能感を持つことがあります。けれども、未だに、自分の脳のリアルタイムの働きさえ、自分で見ることがかなわないのです。
古代、鏡は誰にでも使うことの出来るコモディティではなく、神権と王権の象徴でありました。これは単に希少性が高かったからではなく、自らの姿を映すことの出来るものが、より高次のレイヤーからの視点をもたらす、いわばメタ認知を促す装置として機能したからだと考えることができます。
この認知は、それを持つ本人を益するものであるばかりでなく、目先の利得を措いて一年、十年、百年の計を立て、数人の身内の便宜ではなく万人の未来に資する意思決定をするのに不可欠の思考のパラダイムであるのです。
現代の私たちにとっては、私たちの心の動きを客観的に映すことの出来る、脳機能を測定する装置が、鏡に相当するといえるでしょう。
本展示では現代を、人間が内面を可視化することを憶えた後の、次なる認知の時代への遷移期にあたるものと位置づけ、見ているのに見えていなかった何かを可視化する装置としての作品を紹介していきます。
タイトル | タ・メタ・タ・ピュシカ |
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会期 | 2024年11月15日(金)~12月15日(日)
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時間 | 11:00〜19:00
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場所 | Mikke Gallery(東京都新宿区四谷1-4 四谷駅前ビル5F) |
休館日 | 火・水曜日 |
料金 | 無料 |
URL | https://mikke-gallery.com |