川内倫子「M/E」展が、2025年1月9日(木)より東京・学芸大学のBOOK AND SONSで開催される。
2019年にアイスランドを訪れた川内は、地球の息吹を感じる間欠泉や、人間の持つ時間を遥かに超える氷河、胎内のような休火山の内部を目の当たりにし、いままでに感じたことのない、この星との繋がりを感じた。アイスランドを出発点とし、コロナ禍を経て自宅周辺にある自然や、北海道の冬の大地へとその体験は続いていく。2022~2023年には大規模個展『M/E 球体の上 無限の繋がり』を開催し、「M/E」シリーズの一部を発表。「M/E」は現在も世界の各国で展示され続けている。
タイトルとなる「M/E」は、「母(Mother)」と「地球(Earth)」の頭文字であり、続けて読むと「母なる大地(Mother Earth)」、そして「私(Me)」という意味が込められている。そこからは、悠久の自然の存在と、日々の日常で起こるささやかな出来事は、無関係ではなく、分かち難くつながっていることの必然が呼び起こされる。
今回刊行となる写真集『M/E』は、2022年に刊行した展覧会図録『M/E 球体の上 無限の繋がり』とは異なる書籍・内容として、新たに生まれ変わったもの。自然と向き合いながらも自身の視座を獲得した『あめつち』『Halo』の先にある、自然と人間のつながりという原点に立ち返り、激動の時代の中でも世界を見つめ直した川内による最新作。ハンス·グレメンの装丁により、透けるような繊細で薄い紙に写真が印刷され、クロス装には大胆に箔押しが施されている、オブジェのような佇まいをもった一冊。巻末には作家、写真家、美術史家であるテジュ·コールによる、手紙のような美しい文体で綴られたエッセイが収録されている。
本展では「M/E」から写真や映像作品に加え、布を使ったインスタレーションも展開される。初日にはレセプションパーティーも開催予定。この特別な機会にぜひ足を運びたい。
タイトル | 川内倫子「M/E」写真展 |
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会期 | 2025年1月9日(木)〜28日(火) |
会場 | 東京都目黒区鷹番2-13-3 キャトル鷹番 BOOK AND SONS |
時間 | 12:00〜19:00 レセプション:2025年1月9日(木)17:00〜19:00 |
休館日 | 水曜定休 /入場無料 |
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