01 April 2026

津田直個展「LO」展、半円の風景が“見ること”の根源的な体験を問い直す

01 April 2026

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LO - Cupola #1_72dpi_1200px

LO - Cupola #31_72dpi_1200px

東京・六本木のタカ・イシイギャラリー フォトグラフィー / フィルムにて4月3日から津田直の個展「LO」が開催される。本展では、ネパール北部ムスタン地方で撮影された『LO』シリーズより、ランドスケープ作品を中心に約10点が展示される。

津田はこれまで、ブータンや北極圏、リトアニアなど世界各地を訪れ、土地に蓄積された時間や人間と自然の関係性を探る作品を発表してきた。本シリーズは、チベット仏教の文化が色濃く残るムスタン地方を旅し、標高2500〜4000メートルの環境の中で撮影されたものである。ヒマラヤの山々を望む広大な風景は、積層する時間と自然の圧倒的なスケールを観る者に提示する。

本作の特徴は、風景が半円形にフレーミングされている点にある。これは「風景に四角い枠は必要か」という問いから出発し、作家が現地で感じた浮遊感や、「キューポラ」と呼ばれる構造物からの眺めを想起したことに由来する。視界の上部が遮られるようなこの構図は、風景と鑑賞者のあいだに距離を生み出し、「見る」という行為そのものを意識化させる装置として機能する。

タイトルの「LO」は、「見る」を意味する英語の古語「locian」と、旧ムスタン王国の首都ローマンタンに由来する。津田は自身の制作を「翻訳」と位置づけ、言葉以前の世界に触れる感覚を写真によって呼び起こそうとする。土地の記憶や人々の営みの中に潜む存在に目を向け、その場を歩くことで紡がれた風景が静かに写し出される。

半円形のイメージは、洞窟や窓の開口部から外界を覗くような視覚体験を想起させる。それは風景を単なる対象としてではなく、身体的な経験として捉え直す契機となるだろう。

タイトル

LO

場所

タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー / フィルム(東京都港区六本木5-17-1 AXISビル2F)

会期

4月3日(金)~5月2日(土)

時間

12:00~19:00

休み

日・月曜日、祝日

料金

無料

URL

https://www.takaishiigallery.com/jp/exhibitions/photography-film/

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