イタリアのジュエリーメゾン、ポメラートが、ブランド初となる大規模展覧会「Pomellato, Le Joaillier Révolutionnaire(ポメラート ― 革新のジュエラー)」を、6月24日からパリのパレ・ド・トーキョーで開催する。1967年の創業以来、ジュエリーの概念を再定義してきたメゾンの創造性と革新の軌跡を、デザイン、クラフツマンシップ、写真表現、そして女性のエンパワーメントという視点から読み解く展覧会だ。
キュレーションを手がけるのは、ミラノ工科大学ジュエリーデザイン学科教授のアルバ・カッペリエリ。展覧会では、1960年代以降の社会的変化とともに歩んできたポメラートの歴史を辿りながら、ジュエリーを「日常を彩る自由な自己表現」として位置づけたメゾンの革新的なビジョンを紹介する。
ポメラートが誕生した1967年は、女性の自由や自立を求める機運が高まり、イタリアのプレタポルテやミラノデザインが国際的な存在感を獲得していった時代でもあった。こうした文化的背景のなかで、ポメラートは伝統的な宝飾業界の慣習を打ち破り、ジュエリーをより大胆で、センシュアルで、現代的な存在へと変革していった。
本展の大きな見どころの一つが、写真とジュエリーの関係に焦点を当てたセクション。ポメラートは、写真界の巨匠たちに広告キャンペーンを託した最初期のジュエリーメゾンとして知られる。会場では、ジャン・パオロ・バルビエリ、ヘルムート・ニュートン、アルバート・ワトソン、ホルスト・P・ホルスト、スノードン、ハビエル・バリョンラット、ミシェル・コントらによる象徴的な作品を展示。さらに、ハーブ・リッツの作品も初公開される。
1970年代のジャン・パオロ・バルビエリは、ジュエリーと同等に空気感や物語性を重視し、ミラノ特有のセンシュアリティを写真のなかに持ち込んだ。一方、1980年代のヘルムート・ニュートンは、女性を主体的な存在として前景化し、ジュエリーを自己表現の象徴へと昇華させた。これらのイメージは、広告写真の領域を超え、現代女性像を形成する視覚文化として機能したのだ。
展覧会は、ポメラートがもたらした複数の「革命」に沿って構成される。「クラフツマンシップの変革」では、機能的な存在だったチェーンを創造的なシグネチャーへと転換した軌跡を紹介。「スタイルの変革」では、身に着ける彫刻作品として構想されたボリューム感のあるジュエリーを検証する。また、「色彩の変革」では、従来の宝石の序列に挑んだ独創的なジェムストーンの組み合わせや、「ヌード」「グリフ」「モラ」といったアイコニックなデザインが取り上げられる。
さらに本展では、2017年に創設された社会的プラットフォーム「Pomellato for Women」にも焦点を当てる。ジェンダー平等や女性への暴力といった現代的課題に取り組むこの活動は、創業以来、女性の自由や自立を支えるジュエリーを作り続けてきたメゾンの理念を今日へと接続するものでもある。
「ポメラート ― 革新のジュエラー」展
会期:2026年6月24日~7月20日
会場:パレ・ド・トーキョー
入場無料
