写真家・遠藤文香の作品展示が、東京・虎ノ門ヒルズ ステーションタワー4階の「虎ノ門 楽㐂(らっき)」で開催されている。写真集『Ayaka Endo: Kanoko』(7920円)の刊行を記念した企画「食べる、見る、読む。」として、2026年9月1日から10月31日まで、写真と文学、料理を横断する展示を展開する。
『Ayaka Endo: Kanoko』は、日本文学と現代写真を一冊の中で対峙させるシリーズの第6作。今回取り上げられたのは、歌人・小説家であり岡本太郎の母としても知られる岡本かの子の短編小説『鮨』だ。小説が写真の説明にならず、写真もまた小説の挿絵にならない。それぞれが独立した表現として向き合うことで、文学作品を新たな角度から読み直す試みとなっている。
遠藤は1994年生まれ。2021年に東京藝術大学大学院を修了し、現在はロンドンを拠点に活動する。動物や自然を主な被写体としながら、人間と自然のあいだに古くから存在する秩序や感覚に関心を寄せて制作を続けてきた。今回、店内では『Kanoko』の世界と呼応する写真作品を、食事を楽しみながら鑑賞することができる。
会場となる虎ノ門 楽㐂は、「NEXT JAPAN」をテーマに、江戸前寿司や旬の食材を用いた料理を提供する和食店。虎ノ門ヒルズ駅に直結する店舗で、通常のギャラリーとは異なり、食事と作品鑑賞が同じ空間で交差する。
さらに会期中は、岡本かの子の『鮨』と遠藤の写真世界から着想したスペシャルディナーコースも用意。前菜、刺身、焼物、揚物、握りなどで構成し、『Ayaka Endo: Kanoko』1冊が付属する。作品を「見る」、小説を「読む」、そして料理を「食べる」という3つの行為を重ねることで、一冊の写真集を視覚だけではなく味覚や身体感覚へと拡張する。価格は15000円。
ギャラリーや美術館を離れ、日常的に人々が食事をする場所へ写真を持ち込む今回の試み。岡本かの子が「鮨」という食を通して描いた文学世界に、遠藤の写真と現代の料理が重なることで、写真を見るという行為そのものを別の角度から捉え直す機会となりそうだ。
| タイトル | 遠藤文香「食べる、見る、読む。」 |
|---|---|
| 場所 | 虎ノ門 楽㐂(東京都港区虎ノ門2-6-3 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー4F) |
| 会期 | 2026年9月1日(火)〜10月31日(土) |
| 時間 | 11:00~14:00(L.O. 13:30) |
| 休み | 無休 |
| URL | https://applink.instagram.com/lucky_toranomon/ |
