ファッションからデザイン、アート界まで縦横無尽に活躍するクリエーター、ヴァージル・アブロー。いまのカルチャーシーンで動向が最も注目されるインフルエンサーだ。このたび、彼がファウンダー&デザイナーを務めるブランド・オフ-ホワイトが世界の文化遺産ともいえるミュージアム、ルーヴル美術館とコラボレーションコレクションを発売した。2月24日(月)まで同美術館で開催されている「レオナルド・ダ・ヴィンチ展」を記念したもの。
ダ・ヴィンチはいわずと知れたルネサンス時代を代表する画家であり、美術以外にも機械工学や医学などその多才ぶりも話題となる偉人だ。ヴァージルは、この天才の多面的才能に魅了されていたという。ヴァージルのファッションに留まらない活動の広さにはダ・ヴィンチの影響があるのかもしれない。
コレクションにはルーヴル収蔵の名作が使われている。ダ・ヴィンチ画の『聖アンナと聖母子と幼児聖ヨハネ』で描いたオフ-ホワイトのロゴ、矢印マーキングをプリントしたTシャツはアイコニックな一品。ルーヴル美術館内グランドギャラリーで22枚の歴史的名作とともに撮影されたルックは、ファッションと名画とのコントラストが面白い。
ヴァージルは、「ファッションと芸術を融合させたかった。創造性はひとつの分野である必要はない、さまざまな分野で自分自身を表現できるのだから。ダ・ヴィンチは、この原理で生きる最初の芸術家だったと思う。そして、私も同じ様になりたい」とコメントを発表している。
オフ-ホワイトはストリートファッションを代表するブランドだが、Tシャツやパーカーだけでなくドラマチックなクチュール的ドレスやスカートなどをたびたび発表している。これはヴァージルがの歴史的絵画への憧憬と無関係ではないだろう。ストリートという新しさだけでなく歴史的なものの価値に重きを置いていることを感じる。現にヴァージルは、ファッション誌『i-D』で、「ストリートファッションは近く終わり、ヴィンテージを買うようになるだろう」といった趣旨の発言をし、物議をかもしたこともある。
今回のコレクションは、ルーヴル美術館のギフトショップ&オンラインストア、オフ-ホワイトのオンラインストア、ECサイトのファーフェッチなどで扱われている。現代のレオナルド・ダ・ヴィンチかもしれないヴァージル・アブロー。ストリートにおけるルネサンスを確かめてみては?
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。