09 April 2021

シャネルが文化、芸術をサポートする基金設立

09 April 2021

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シャネルが文化、芸術をサポートする基金設立

シャネルが、創業者の遺志を感じさせるプロジェクト「CHANEL Culture Fund(シャネル文化基金)」を立ち上げた。ラグジュアリーブランド「シャネル」を創業したガブリエル シャネルは20世紀前半当時の芸術家のパトロンとしても名高い。彼女の支援の恩恵にあずかった顔ぶれには、音楽家のイゴール・ストラヴィンスキーや画家パブロ・ピカソ、詩人ジャン・コクトーなどその分野において後世に名を残す偉大な芸術家が名を連ねる。企業のアティチュードとして、ガブリエルの遺志が連綿と受け継がれているのだろう。

CHANEL Culture Fundでは、表現の力の擁護と、類稀な才能を持つ人々の認知を高めることを目的に、幅広い芸術分野で活躍する10名のクリエイターを支援する取り組み「CHANEL Next Prize(シャネル ネクスト プライズ)」と、さまざまな組織や団体との新たなビジョンを生み出すための国際的なパートナーシップの2つを軸に活動を展開する。

ひとつめのCHANEL Next Prizeでは、ビジュアルアート、音楽、ダンス、パフォーマンスの各分野において、革新的な活動を行っているアーティスト10名それぞれに賞金10万ユーロを授与。またシャネルが企画するメンターシップ(指導)やネットワーキングの機会を提供される。音楽やダンスなどのパフォーミングアーツも対象なのがシャネルらしい。ガブリエルは、当時ロシアのセルゲイ・ディアギレフ率いる気鋭のバレエ団「バレエ・リュス」の衣装デザインを担っていたことでも知られるが、彼女は同団体演じるストラヴィンスキーの傑作バレエ曲『春の祭典』のパリ再演も支援しているのだ。

二つめの試みでは世界の主要な文化的団体と長期的なパートナーシップを結び、クリエイティブな分野におけるイノベーションを支援するための新たなプログラムをスタート。すでにいくつか具体的なプロジェクトが進行しており、パリのポンピドゥー センターやモスクワのプライベートミュージアムGES-2などとのパートナーシップが発表されている。GES-2は2021年オープンする新施設。レンゾ・ピアノが発電所をリノベーションする文化施設でこちらも注目だ。アジアでは中国を中心にプログラムが実施されるという。

CHANEL Next Prizeの詳細は、年内に発表予定。年齢、性別、国籍問わずあらゆるアーティストが対象となり、国際的なメンバーによる諮問委員会が候補者を推薦、選考するという。フォトグラファーもその詳細を心待ちにしてほしい。

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