スイス人フォトグラファー、アンネ・ゴラズの作品集がMACKより刊行された。
堅実に働く若い農夫を主人公にした本書は、12年間にわたって3世代を見つめ撮影したイメージや動画から切り取ったスチル写真、ドローイングが文章とともに編集されている。
文章は作家であり脚本家、劇作家のアントワーヌ・ジャコと作者が執筆。演劇的にコミュニケーションにまつわる行動を観察し分析したジャコは、この入り組んだストーリーを形にするために家族間の会話や作者が順を追って語った思い出の数々を書き起こして再構築。時系列に沿った並びを避けた編集に仕上げた。それは時の経過、命、宿命、そして死をテーマとし、未来がただ過去を思い出させるだけの一存在であることを伝えている。
回顧録のようでもあり、絵画でもある、そんな情景を、生まれ育った地であるスイスの片田舎の農場で触れた生と死を写し取り、多層的かつ詩的なコラージュとして仕上げた一作である。
タイトル | 『CORBEAU』 |
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出版社 | |
価格 | 6,750円+tax |
発行年 | 2017年 |
仕様 | ソフトカバー/230mm×290mm/196ページ |
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