アメリカ・シカゴ生まれ、現在ニューヨークで活動しているリチャード・レナルディの写真集『STAR WARS T-SHIRTS』がSUPER LABOより刊行。
1977年の映画『スター・ウォーズ』第一作の中で、オビ=ワン・ケノービは、フォースに何百万もの声が突然静まりかえったかのような乱れが生じているのに気付く。デス・スターの破滅的終焉とともに、250億ドルの版権帝国は宇宙に砕け散り、にわか無数のTシャツのライセンス生産が認可されることとなった。スター・ウォーズTシャツはいまやあらゆる場所にあり、国境もイデオロギーも超越する。結婚指輪やカトリックのロザリオに匹敵するくらい、献身的な愛情をもって身につけられている。バロック的な宇宙観を織り成す英雄や偶像や悪役をちりばめたスター・ウォーズTシャツは、着る人の数ほど無限のバリエーションがある。彼らの執着にはどんな意味があるのだろう?スター・ウォーズTシャツの普及ぶりは、共通の文化言語を求める世界的な衝動を暗示しているのだろうか?長年にわたる永遠の金権支配への行進も終わりに近づきつつある後期資本主義の中で、フォースが息切れしたということだろうか?もしかしたら、秘密の宗教がうたう千年至福信仰の表れだろうか?あるいは私たちは、21世紀にたちこめる霧のような高度技術による監視体制に対抗すべく無力な武装で身を包んだ、反乱軍の結成を見ているのだろうか?
これらを含むさまざまな問いを解くうえで、スター・ウォーズTシャツを注意深く果敢に網羅したリチャード・レナルディの本書は、私たちにとって唯一の希望のカギとなる。
タイトル | 『STAR WARS T-SHIRTS』 |
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出版社 | |
出版年 | 2020年 |
価格 | 4,300円+tax |
仕様 | ソフトカバー/217mm×280mm/40ページ |
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2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。