スイスを拠点に活動するアーティストであり美術教育者のオリビエ・スッターの作品集『CHILDREN』。
本書に収められた写真がさまざまな時代のものであることは、ポートレイトの撮り方やスタイルの違いからわかる。一人で、もしくは父親や母親、兄弟姉妹や友達と一緒に写っている子どもたちの写真を見ているとなぜ彼らがこのコレクションに加えられたのか疑問になってくるが、ページを捲るうちに、彼らが未来の作家や数学の天才、果ては独裁者まで、有名無名の人々の幼い時の姿であることがどことなくわかってくる。そこに気づくと、子供たちの顔の特徴や表情から未来の姿を想像せずにはいられなくなる。
しかし、登場する子どもたちの顔を見ていると、顔を見ればその人の運命がわかるという考えがいかにナンセンスであるかがよくわかる。観る者は、スッターが提示する世界中どこにでもいる子どもたちと何ら変わるところのない何十個もの幼い顔を見つめ、彼らがどんな大人になったかを知り、ただただ面白がったり驚かされたりするばかりである。
タイトル | 『CHILDREN』 |
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出版社 | |
出版年 | 2019年 |
価格 | 6,000円+tax |
仕様 | ハードカバー/124mm×167mm/288ページ |
URL | https://ja.twelve-books.com/products/children-by-olivier-suter |
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。