フランス人写真家、ヴァンサン・フェラーネの作品集『Iconography – XXV Figures of Jeanne Damas』。
いわゆる「イットガール – モデル – ビジネスウーマン」と呼ばれるジャンヌ・ダマスは、理想の女性の現代的な側面を幾つも体現している。絶大な人気を誇るダマスのグローバルな影響力は、ソーシャルネットワークが誕生した現代以前には考えられないものだった。その上ダマスは、自分自身の生活を撮った写真を投稿することによって自己のイメージを作り上げた。そこにはお気に入りのもの、スタイリングやメイクの仕方、自身のブランドの洋服やコスメが写っている。
本作のきっかけとなったのは、ニュートラルな背景でダマスに自分自身を再演してもらうというアイデア。以前と同じジェスチャーやポーズをとってもらったり、ファンやメディアが高く評価しているダマスのイメージを不動のものとしている、写真の中の要素や象徴的なツールを再び使ったりしている。
本書では、シュルレアリスムにおける作品の共同制作の手法である「優美な屍骸」を用い、これらの芸術的な暗黙の了解事項が表現されている。言い換えれば、古典期に見られるポーズの「コントラポスト」、イスラム教国宮中の女奴隷「オダリスク」の姿、映画の中で危険な魅力を放つ煙草を持った「ファム・ファタール」、ポップアートへの言及を用い、セルフィーを撮るときのポーズというよりは洋服のオンラインストアで見られる身体表現などが取り入れられている。
タイトル | 『Iconography – XXV Figures of Jeanne Damas』 |
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出版社 | |
出版年 | 2019年 |
価格 | 6,000円+tax |
仕様 | ハードカバー/215mm×275mm/48ページ |
URL | https://ja.twelve-books.com/products/iconography-by-vincent-ferrane |
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。