フランス人写真家、フランソワ・アラールの写真集『Papa』。
本書は、2016年に亡くなった父親のイヴ・アラールの最期の日々を南フランスの町、レ・ヴィニェールにある自宅で撮影したもの。世界で最も卓越した建築写真家の1人と評されるアラールだが、本作においては私的な環境、空気感を追求するため通常の手法を捨て、被写体に寄り添って撮影をした。枯れゆく肉体や年齢と知性が刻まれた弱々しい表情を写し出した静謐な写真には、親愛の情と敬意がにじみ出ている。
私はそれまで家族を撮影したことはほとんどなく、特に両親は撮らないようにしていました。父を撮ることなどまずなかった。しかし私は、彼がどんな人間だったのかを痕跡や記憶として残しておきたいと思いました。そうするとリチャード・アヴェドンが自分の父親を撮った写真がすぐに思い浮かびました。ニューヨークのメトロポリタン美術館で初めて見た時、その力強さに深く感動したのを覚えています。それから数年後、レ・ヴィニェールで自分自身も父のポートレイトを撮影していたのです。でも私のやり方は彼のものとは違っていました。この写真に、親愛と敬意を込めて。—フランソワ・アラール 2019年、アルルにて
タイトル | 『Papa』 |
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出版社 | |
出版年 | 2019年 |
価格 | 6,400円+tax |
仕様 | ハードカバー/230mm×300mm/48ページ |
URL | https://www.twelve-books.com/products/papa-by-francois-halard |
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