アメリカ人写真家、ジョン・ディヴォラの写真集『TERMINUS』。
カリフォルニア州ビクタービルにある今では使われていない空軍の宿舎を撮影するプロジェクトを2015年から続けてきたディヴォラは、荒れ果てた室内にスプレーペイントを施し、修正した風景を撮ることによって写真、彫刻、インスタレーションが交差する興味深い作品を作り出した。
本書に収められたイメージはどれも細い通路の突き当たりにペイントされた黒い丸を見下ろす構成になっている。ペンキ、埃、漆喰が作り出すいくつもの層の奥に鎮座する黒い円に、否応なしに見る者の視線は吸い込まれていく。それは運命が持つ決定論的な力や破壊的な逃避の可能性を同時に示唆しているようでもある。
タイトル | 『TERMINUS』 |
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出版社 | |
出版年 | 2021年 |
価格 | 7,150円 |
仕様 | ハードカバー/235mm×287mm/268ページ |
URL | https://www.twelve-books.com/products/terminus-by-john-divola |