中井菜央『雪の刻』が赤々舎から発売された。
1978年滋賀県生まれ、東京在住の中井は、2015年から毎年、冬のあいだ100日を新潟県津南町に暮らし、また2020年には一年近くそこに暮らして撮影を行ってきた。本書は世界有数の豪雪地帯である津南町周辺地域に降り積もる多湿で重たい雪の個性に惹かれ、その雪が作り出す風景や雪国に生きる人々を撮り続けた記録である。
この地に雪が降り出したのが 8000 年前。それを証す地層。雪を機に人の生活も文化も変異したことを示す土器。雪に捻じ曲げられた大木小木の姿が常に揺れの錯覚を生む森。野に還りながらも過去を語ってやまない跡形の村、田。多湿な雪の反射光のもと、生まれ、老いる人々が持つ淡い墨色の瞳。万物がそれぞれに刻む時間が、かつて刻んだ時間と一つに融けて響き、その無二の響きが在るところ、それが、この地。地の名は消えゆき、ある「雪」の降る領野へ……。私は「雪」が律する「時間」を撮ろうとしました。ーあとがきより一部抜粋
タイトル | 『雪の刻』 |
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出版社 | |
出版年 | 2022年 |
価格 | 5,500円 |
仕様 | ハードカバー/255mm×210mm/176ページ |
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