作品集『日高理恵子 空間と、自然光と、絵と、』がtorch pressより刊行される。本書は、画家・日高理恵子が自然光のもとで作品を展示した2つの展覧会を鈴木理策が撮り下ろした写真と、美術評論家の椹木野衣が書いた2つの文章で構成された作品集。
この本の始まりは、2023年多摩美術大学 アートテークギャラリーで開催された「家村ゼミ展 2023 空間に、自然光だけで、日高理恵子の絵画を置く」。本展ではひとつの空間に、ほぼ1作品を自然光の中で展示するという試みがされた。この体験をもとに、2025年に同ギャラリーで退任展が開催された。この2つの展覧会を、自身の作品で常に「見ること」について問いかけてきた写真家・鈴木理策が撮り下ろした写真で構成。椹木はその体験を自身の身体、知覚とともに、単に文章を寄せるにとどまらない、実験的な2稿で日高の絵画に、展示に、対峙した。
本書のデザインを須山悠里が手がけ、展覧会を須山自身が見、体験し、感じたことを、いわゆる展覧会の記録という枠組みを超えてまとめあげている。「本」という場で、絵画と、写真と、文のそれぞれ自立し、かつ関係しあう、他に類を見ない一冊が生まれている。
また、9月26日より小山登美夫ギャラリー京橋・六本木の2会場で、「日高理恵子」展が同時開催される。会期中はトークイベントも予定されており、10月10日には椹木野衣、10月31日は鈴木理策と須山悠里がゲストに招いて日高とのトークが行われる。日高の絵画と空間を味わいながら本を手に取り、作品世界を堪能したい。
