Bharat Sikka
注目作家の作品を毎日配信!第69弾はバハラ・シッカ
この作品は、長い間繰り返し議論されてきたインドの問題について扱っている。国民の多くに自らのルーツと社会的思想が深く根づいている社会の中で、性差別、カースト制度、人種やセクシュアリティに対する差別を、誰も解決しようとしてこなかった。ここでは、メランコリックで繊細なイメージをもとに、この永続的な問題を巧妙に描き出し、いま一度向き合おうとしている。若者たちの若々しさを投棄し、彼らの素の姿を異議唱える詩として代用することで、私たちの社会に伝承されてきた規範と立ち向かおうと試みる。それはインドの中で長年抑圧されてきたジェンダーとセクシュアリティの探求であり、彼らの身体が描くランドスケープはこの土地を映し出す比喩となる。そして、写真に写る若者に自分の幼少期を回顧的に再考する。もしかしたらこれらのイメージは、作家自身の実体験と空想上の旅路を反映しているのかもしれない。