人の居場所を主なテーマに撮影を続ける岡原功祐の新作写真集『blue affair』(THE BACKYARD)が刊行。初版は800部、限定プリントが付属するスペシャルエディションは8部制作されている。
コザで切り取られたイメージ。そこに、彼(写真家)は写っていなかった。撮影しているからというようなフィジカルの問題ではない。一方的にも、双方的にも、レンズを行き交う感情が見当たらない。なにより、カメラに注ぎ込む目線が、ひとつもないことに気づく。まるで、そこにいなかったかのように。彼自身は浮遊していて、どこか遠くの高いところから俯瞰し、目の前で起きた出来事を見つめているかのように。ただ、そこには、温もりや悲しみのような人をまとう情緒がすべて削ぎ落とされたあとに残る、圧倒的な存在としてのイメージだけが、ストンッと写っていた。間違いなくその瞬間に、同じ場所で、同じ空気を共有しながらも、彼は一部ではなく、外側の世界から覗き込んでいた。―彼は確実に、夢の中にいた。
―石川達也(クリエイティブディレクター)寄稿より抜粋
タイトル | 『blue affair』 |
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出版社 | |
出版年 | 2020年 |
価格 | 6,500円+tax |
仕様 | 227mm×172mm/197ページ/初版800部+Special edition8部 |
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2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。