本書『Neighbours』は、アメリカ人アーティスト、ロー・エスリッジの北アメリカでの初個展開催に伴い刊行された作品集。商業写真、コンセプチュアルなアート写真、個人的な写真の距離や境界を、皮肉を含んで笑うように壊してきたエスリッジの15年以上にわたる写真作品が収録されている。
内容は3つのチャプターによって構成され、第2章では初期の自費出版から最近の作品、またそのセクションを挟むように最初と最後の章では、灰色の家族写真や地方の海岸、七面鳥や豚、ヤギなどの家畜の写真を用い、彼の特徴ともいえる無表情なスタイルで作られたほぼ理解不可能な作品が並ぶ。ありふれた奇妙さや可笑しさを描き出しながら、あえて読者を酔わせるようなイメージ構成で、アスリッジが進化するさまを闇雲にたどる。
本書のタイトル「Neighbours(隣人、仲間)」は、自分も含め友人や家族の写真を作品によく取り入れるエスリッジの性質を暗に示しており、それは自身の手による編集や作品のテーマにも現れている。感傷的な写真と商業的な写真の間に生じる違いや特徴を嘲笑いながら、我々の生活の中で生まれるものとそれを互いに繋ぐもの、その両方のイメージの層の中に潜む一見ありふれたものをエスリッジは追求する。
タイトル | 『Neighbours』 |
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出版社 | |
価格 | 6,200円+tax |
発行年 | 2016年 |
仕様 | ハードバック/205mm×290mm/134ページ |
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