蓮井幹生「無常花」展が、8月1日(日)まで祐天寺・WHYNOT. TOKYOで開催中。
蓮井は、「PEACE LAND」シリーズをはじめ、水平線の広がる風景を収めた写真作品を通して色彩や光の世界を探究し続け、さらに昨年の写真展「for yesterday」では、自らの家族を撮影した作品群で新境地を開拓している。
本展「無常花」の主題は、蓮井が長年撮り続けながらも作品のモチーフにすることのなかった「花」。自然界が生み出した造形物である「花」と、大量生産された人工物である「ペットボトル」との間には、生と無生、美と機能、無常と不朽といったいくつもの対比が見出せる。しかし蓮井自身が述べるように、そんな対照的な二つの存在でさえレンズの前では等しく単なる「物の写像」として収められてしまうところに、写真というメディウムの妙味があるのだろう。
生体から切り離された「切り花」は、ただの物質にすぎないのか。その物質性は、人工物であるペットボトルのそれと同じものだといえるのか―。花の持つ繊細な造形や色彩と、ペットボトルの放つ鮮明な反射光とが調和した表層の奥には、そんな問いかけが潜んでいるようにも感じられる。
タイトル | 「無常花」 |
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会期 | 2021年7月7日(水)~8月1日(日)*水曜のみ要事前予約制 |
会場 | WHYNOT. TOKYO(東京都) |
時間 | 13:00~19:00 |
休館日 | 日~火(8月1日は営業) |
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