石塚元太良の個展「Ondulatoire」が3⽉31⽇(⽊)まで六本木・KOTARO NUKAGAで開催中。
写真を撮ることは、レンズに収めた空間の再解釈を⾏うことであると考える⽯塚。本展の作品のモチーフは、建築家のル・コルビュジエが設計したリヨンのラトゥーレット修道院(1960年竣⼯)の中でコルビュジエの弟子、ヤニス・クセナキスが手掛けた譜⾯のような開⼝部のデザインだ。建築家であり数学家や作曲家でもあるクセナキスは、フランス語で「波状の」という意味を持つ「オンデュラトワール」と名付けた、不均質な幅にデザインされたルーバーを開⼝部に設置した。これにより、ラトゥーレット修道院という空間に⾳楽的な要素を加え、この建築空間に新たな解釈を作りだしたという。開⼝部に差し込む太陽の光は、譜⾯である窓枠を通して影を地⾯に創りだし、閉鎖的な修道院の空間の中で続く修⾏の1⽇、1年といった⽇々が、周期の中で揺らぎながら変化していることを気づかせる瞑想的な場となっている。この揺らぎが「オンデュラトワール」であり、光と影によって奏でられ続ける管弦楽曲のタイトルのようだ。本展は、⽯塚が指揮者となるシンフォニー「オンデュラトワール」のコンサートといえる。
また、本展ではコルビュジエとクセナキスの共同制作で、もうひとつの「オンデュラトワール」であるチャンディーガル美術⼤学 (1965年竣⼯)の開⼝部の作品も展示し、クセナキスの⾒ていた揺らぐ世界をさらに⽴体的に再構築する。今回石塚が写真空間の再解釈で表現したのは⾳楽の⽴体化であり、⾳楽の建築だという。建築、⾳楽、写真という三つの領域が共鳴し合い生まれる「⾳楽を観て、写真を聴く」空間に、身を委ねてみてはいかがだろうか。
タイトル | 「Ondulatoire」 |
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会期 | 2022年2月5日(土)〜3月31日(木) |
会場 | KOTARO NUKAGA(東京都) |
時間 | 11:00~18:00 |
休廊日 | 日〜月曜、祝日 |
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