Marcelo Gomes
注目作家の作品を毎日配信!第106弾はマルセロ・ゴメス
「Pathêmes」
本作はマルセロ・ゴメスが約10年間撮り溜めた写真群から構成されている。無造作で夢のような写真は、ゴメスの毎日の記録を写しだしている。遠く離れたニカラグア、ニュージーランド、故郷のブラジル、ブリュッセル、ニューヨーク、ローマなど世界各地を訪れ、その地の人々との喜びや親しみを追い求めたゴメスの旅の記録は、力強さを感じさせながら、刹那的なノスタルジーが漂う。
写真集『Pathêmes』は、詩的なビジュアルシークエンスが組まれ、写真集の固定概念を歪め、ぼやかすように編集されている。作家ドルガ・チュー・ボセが冒頭のエッセイに記したように、「見ることの多くは、実際は一歩下がって、見回して、ちゃんと自分の首を使うことを思いだすことなのだ」ということに改めて気づくことができるだろう。