内倉真一郎「『忘却の海』出版記念個展」が9月9日(土)まで西麻布・KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHYにて開催中。
内倉は、宮崎県・延岡市出身の写真家。大阪で写真を学んだ後、街中のストリートスナップやセルフポートレイトを発表する形で写真家のキャリアを歩み始め、2009年に父親が立ち上げた写真館を継承してからは、宮崎県を拠点に制作している。『私の肖像』(2020年、赤々舎刊)へと繋がるポートレイト写真で多くの賞を受賞し高く評価されたほか、拠点とする宮崎県延岡市に打ち棄てられたさまざまな物を撮影した前作〈Collection〉では、第41回キヤノン写真新世紀優秀賞受賞および公益社団法人 日本写真協会/東京都写真美術館主催「東京写真月間2022」国内企画展に選出されている。
本作〈忘却の海〉では、夥しい数のプラスチックや日用品などの残骸が打ち上げられた海辺を、カメラを手に無心に歩き回りながら制作したと内倉は語る。役目を終えたオブジェクトたちの放つ、得もいわれぬようなある種の凄みをカメラを介して表出し、無き物とされたが確かに存在する彼ら(物たち)の声なき声を掬うかのような本作は、スナップ写真からポートレイト写真までを作品として昇華させてきた内倉の才能を集約させた真骨頂といえる。
人間の営為の痕跡を淡々と俯瞰することで、時間軸を超越した畏怖さえ感じさせる、内倉真一郎 〈忘却の海〉 の渾身の新作群を、ぜひお見逃しなく。
タイトル | 「『忘却の海』出版記念個展」 |
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会期 | 2023年8月5日(土)~9月9日(土) |
会場 | |
時間 | 13:00~20:00(土曜は12:00~19:00) |
休館日 | 日月火曜・祝日 |
URL | https://www.kanakawanishi.com/exhibition-ph026-shinichiro-uchikura-2023 |