自らの制作のあり方を“空間的作曲”と表現し、新たな聴覚体験を創出するプロジェクト”See by Your Ears”を主宰するサウンド・アーティストevalaが12月14日より約3ヶ月間、NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)にて大規模個展「evala 現われる場 消滅する像」を開催する。
視覚を中心にした表現領域である「美術(visual arts)」に対し、聴覚を中心に表現をする「サウンド・アート」。サウンド・アートは楽音(楽器で演奏される音)によらない、自然環境音を録音した素材などの、さまざまな音が使用され、「聴くこと」自体を主題とするなどの特徴を持つ表現分野だ。evalaは、2000年代以降、個人としての活動のみならず、多くのコラボレーションを行うなど、幅広い分野で活躍する音楽家でありサウンド・アーティスト。2017年から既存のフォーマットに依拠しない音響システムを駆使した独自の「空間的作曲」により、ほぼ音だけで構成されているにも関わらず鑑賞者の視覚的想像力をも喚起するプロジェクト“See by Your Ears”を主宰し国内外で高い評価を獲得している。
本展ではそんな“See by Your Ears”の原点となる、2013年にICCで制作された無響室作品《大きな耳をもったキツネ》や、その後、国内外で発表されてきた作品、さらにICCで最も大きな展示室を全室使用した新作大型インスタレーションを含む5つの新作を展示。精緻に構築された音響空間のなかで、聴くことと見ることが融け合う新たな知覚体験を提示する。