清里現代美術館アーカイブブック出版プロジェクトの第2巻の刊行を記念した展示「KIYOSATO MUSEUM OF CONTEMPORARY ART. ARCHIVE Ⅱ: FLUXUS AND ITS SURROUNDINGS」がPOSTにて2025年3月16日(日)まで開催中。
1990年に山梨県清里に設立された清里現代美術館は、ヨーゼフ・ボイス、アーノルフ・ライナー、フルクサスといった現代美術を常設展示する個人美術館であったが、設立者の健康上の理由から2014年に惜しまれつつも閉館した。本プロジェクトは、これまで一度もまとめられることのなかった清里現代美術館の資料をまとめ、全3巻にわたって刊行するものである。
第2巻は「FLUXUS(フルクサス)」をテーマに制作されている。ラテン語で「流れる、変化する」という意味をもつフルクサスは、1960年代にジョージ・マチューナスにより生まれた前衛芸術運動で、集団としてはっきりとした主義主張を掲げることはなく、物質としての作品というよりパフォーマンスやイベントなどその行為自体を作品としていた。活動の場は日常に開かれており、音楽だけでなく、食事をする、自転車に乗るといった行動も芸術に含むような、誰でもアーティストになり得るユーモラスなアートムーブメントとして、世界中に広がっていった。
清里現代美術館にはフルクサスルームと名付けられた小部屋があり、冊子や新聞、レコード、ポスター、書簡、案内状、分類困難な紙片まで、あらゆる資料が展示されていた。本書ではその清里現代美術館の膨大なコレクションの中から、フルクサスとその周辺の資料、特に出版物を中心にまとめられている。出版を記念した本展では、現在入手可能なフルクサスの関連書籍、清里現代美術館所蔵のフルクサス関連の古書、資料も販売予定。さらに3月8日(土)には、うらわ美術館学芸員の滝口明子、批評家、エッセイスト、詩人の金澤一志によるトークイベントが開催される。日常の行為をアートへと昇華させたフルクサスの精神は時を経ても流れ続け、現代においてもなお新鮮な問いを投げかけている。既成概念にとらわれない自由なムーブメントに、ぜひどっぷりと浸かってほしい。
▼ 展示情報 | |
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タイトル | 「KIYOSATO MUSEUM OF CONTEMPORARY ART. ARCHIVE Ⅱ: FLUXUS AND ITS SURROUNDINGS」 |
会期 | 2025年2月14日(金)〜3月16日(日) |
会場 | POST(東京都) |
時間 | 11:00~19:00 |
定休日 | 毎週月曜日 |
URL | http://post-books.info/news/2025/2/14/exhibition-fluxus-and-its-surroundings |
▼ トークイベント情報 | |
日時 | 2025年3月8日(土) |
定員 | 25名 |
参加費 | 500円 |
URL | https://20250308-talkevent-fluxus-and-its-surroundings.peatix.com/ |
▼ 書籍情報 | |
タイトル | 『KIYOSATO MUSEUM OF CONTEMPORARY ART. ARCHIVE Ⅱ: FLUXUS AND ITS SURROUNDINGS』 |
制作年 | 2025年 |
出版社 | Edition Telescope |
価格 | 5500円 |
仕様 | 248ページ/ソフトカバー/218 x 126 mm |
URL |