29 September 2026

渋谷慶一郎写真日記「Humanity Vol.2」——パリの人たち

29 September 2026

Share

渋谷慶一郎写真日記「Humanity Vol.2」——パリの人たち | Mae Mei Lapres_000034

音楽家・渋谷慶一郎によるポートレート連載「Humanity」第2回。舞台は、渋谷が東京とともに拠点とするパリへ。街で出会い、時間をともにする人々をコンタックスT3で写し出す。モノクロームの柔らかなイメージの中に、パリに生きる人々の飾らない表情がこぼれ落ちる。

写真・文=渋谷慶一郎

Mae Mei Lapres(マエ・メイ・ラプレ、モデル/ヴィンテージ・コレクター)

Mae Mei Lapres_000034

グッチ時代のアレッサンドロ・ミケーレのミューズで、ルイ・ヴィトン、ミュウミュウなど多くのブランドのランウェイやキャンペーンを制覇しながらパリのクリニャンクールのテナントをDIYして、自分のヴィンテージショップ「MeiMei Vintage」を運営している。マイペースで自分を曲げない、わがままなところが僕と似ている。家で飼っている2羽のオウムにはすっかり懐かれている。

Claude Gassian(クロード・ガシアン、写真家)

Claude Gassian_000035

この前パリで、今年11月にリリースするアルバム『Thereshold』のジャケットを撮影してもらった。今までにジミヘン、マドンナ、プリンス、パティ・スミスなど数多くのミュージシャンを撮影しているけど、特にミック・ジャガーとデヴィッド・ボウイはパリでは彼にしか撮らせなかったという伝説があるらしい。撮影の日はアシスタントも付けず自分でカメラと照明をイーストパックのキャリーで持ってきて、700枚撮影して颯爽と帰って行った76歳。日本のカメラマンも見習った方がいい。

Justine Emard(ジュスティーヌ・エマール、ヴィジュアル・アーティスト)

Justine Emard_000025

10年以上、僕と色んなコラボレーションをしてきたけど、僕が英語を話せるようになったのは彼女のおかげ。最近は大阪万博のフランス館のアーティスティック・ディレクターを務めたり、すっかり偉くなっていて嬉しい。ちなみにアンドロイド・オペラの映像もここ数年は彼女が担当している。フランス人離れした真面目さが面白い時がある。

Takami Nakamoto(タカミ・ナカモト、Nonotak共同ファウンダー/アーティスト/サウンド・アーティスト)

Takami Nakamoto_000031

10年くらい前にパリで知り合ったけど、去年から僕の家が近所になったから特に仲良くなってよく家に遊びにくる。時間をかけて仲良くなったから、話しているとリラックス出来て非常に良い。Nonotakの作品が元々好きだからいつか一緒に仕事も出来たらと思う。とか書いているけど、普段は悪いことばかり話しているからここに書けることが少なくて困っている(笑)。

Noemi Schipfer(ノエミ・シプフェ、Nonotak共同ファウンダー/アーティスト)

Noemi Schipfer_000029

Takamiと一緒にNonotakをやっていて、彼と同様に家にもよく遊びに来る。この前は「陰謀論とか言われていることは大概、人々の無知によるもので、そもそも世の中陰謀だらけ」ということで意気投合した。タトゥーのデザインもやっていて、それを見た時にNonotakのデザインのエッセンスを見た気がした。

渋谷慶一郎(しぶや・けいいちろう)
音楽家。1973年東京生まれ。東京藝術大学作曲科卒業。2002年に音楽レーベルATAK設立。先鋭的な電子音楽作品からピアノソロ、オペラ、映画音楽、サウンド・インスタレーションまで、幅広い領域で活動を行う。東京とパリを拠点に国内外で作品を発表し、人間とテクノロジー、生と死の境界領域を作品を通して問いかけている。
http://atak.jp/

Share

Share

SNS