イギリス人写真家、ダン・ベイリーの初作品集『DISPOSABLES』は、江戸時代に歌川広重が制作した連作「名所江戸百景」に収められた119枚の風景画と同数の写真で構成された写真集。
「はかなさ」への美意識が文化の本質をなす日本において「使い捨て」のカメラに詩的感覚を見出したベイリーは、日常生活を記録する手段として10年前から使い捨てカメラを使い始めた。「名所江戸百景」のロケーションを踏襲するだけでなく、「浮世」に垣間見える神聖的かつ世俗的な情景のコントラストも題材にしている。
人間が国家のイデオロギーを投影する地質学的基盤の象徴、火山。そんな火山の写真で始まる本書は、季節と伝統を通じて継承される通過儀礼や都内のナイトクラブといった情景を背景に、日本文化と国民意識を感受するための意識の旅そのものといえるのではないだろうか。
タイトル | 『DISPOSABLES』 |
---|---|
出版社 | 私家版 |
出版年 | 2019年 |
価格 | 6,500円+tax |
仕様 | ハードカバー/182mm×256mm/144ページ |
URL |
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。