森栄喜の個展「シボレス|破れたカーディガンの穴から海原を覗く」が新宿・KEN NAKAHASHIにて6月24日(水)より開催される。
森は、セクシャルマイノリティーをはじめとする多様性のあり方を主題とした写真作品で特に知られるが、近年では映像、パフォーマンス作品、文章や詩など、多岐にわたる表現方法を展開。本展では、小さな音を遠くへ飛ばすために用いられるホーンスピーカーから森が綴った詩を多言語で朗読するさまざまな声色のささやく声が発信され、そのサウンドと映像を組み合わせて構成されるサウンドインスタレーションを初めて発表する。
同ギャラリーでの2度の個展や、東京都写真美術館「小さいながらもたしかなこと—日本の新進作家vol.15」展(2018年)、フェスティバル/トーキョー(2017、2018年)などにおいて、自らの体験や感情を交えた詩の朗読のパフォーマンスなどを通じて、セクシャルマイノリティーをはじめとする多様性のあり方について自身が体感する「問い」を社会や公共空間に投げかけ、社会の中で見過ごされてしまうかもしれないものに参与し続けてきた森。自らの体験や記憶を交えた詩の朗読や他者との共演によって自己と他者の境界を探り、身体的な対話を試みることは、ともすれば消えてしまいそうな小さな声を小さな声のまま公共に開き、そこに生まれる親密性を可視化する試みとも言えるだろう。今後の展開がさらに注目される森の個展である。
タイトル | 「シボレス|破れたカーディガンの穴から海原を覗く」 |
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会期 | 2020年6月24日(水)~ |
会場 | KEN NAKAHASHI(東京都) |
時間 | 11:00~19:00(土日は17:00まで) |
休廊日 | 月火曜 |
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