20世紀後半のアメリカにおいて最も絶賛され、また最も物議を醸したアーティストの一人、ロバート・メイプルソープ(1946-1989)の展示「Implicit Tensions: Mapplethorpe Now」が、2019年1月から約一年間ニューヨーク グッゲンハイム美術館にて開催される。
ニューヨークで生まれ、ブルックリンのプラット・インスティチュートで絵画と彫刻を学んだメイプルソープは、1960年代後半から1970年代初頭にポラロイドカメラで写真を撮り始めた。彼の写真に対する評価はアメリカの時代背景と非常に深い関係にあるが、1970年代後半にニューヨークのSMシーンを取り上げ、性の解放を支持した写真集「Portfolio X」は、当時タブーとされた同性愛や性的描写からアメリカ全国で議論を呼ぶこととなった。
1970年代半にハッセルワイドの中判カメラを手に入れたメイプルソープは、アーティストや著名人のポートレート、男性と女性のヌード、花のスティルライフまでさまざまなジャンルに取り組み始めた。すべてのジャンルにおいて一貫した美意識を持ち続けた彼だが、中でも黒人男性のヌード写真は、その肉体フォルムと構図の完璧さは世界中で高く評価されている。
メイプルソープの没後30周年となる2019年、グッゲンハイム美術館は「Implicit Tensions:Mapplethorpe Now」を二部構成で開催する。前半は、美術館のコレクションから、アイコニックなヌードや花の写真をはじめ、初期のポラロイド写真やコラージュ作品、SM写真、そしてセルフポートレートを展示。また後半には、メイプルソープの作品が過去30年間に巻き起こしたさまざまな議論を振り返ると同時に、彼に影響を受けた現代作家らの作品を通して、彼が現代の身体写真や自己表現のあり方に与えた影響を考える展示になっている。
タイトル | 「Implicit Tensions: Mapplethorpe Now」 |
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会期 | 2019年1月25日(金)〜7月10日(水)、7月24日(水)〜2020年1月5日(日) |
会場 | グッゲンハイム美術館(アメリカ) |
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