ヨーロッパはロックダウンが5月に解除され、美術館や映画館は6月半ばより再オープンし始めているが、ソーシャルディスタンスの問題、マスク着用義務付けに馴染まないなどの理由で客足は遠のいている。そんな中、美術作家や写真家たちは徐々にペースを戻しながら、自身の創作活動を進めている。デュッセルドルフを拠点に活動するドイツ人写真家カティア・ストゥーケとオリバー・ジーバーのユニットBöhm Kobayashiも再始動した。
2010年から続けている、写真に対するアンチテーゼのプロジェクト「ANT!FOTO」が、雑誌最新号を6月28日にローンチ。7年ぶりの発行になる『ANT!FOTO Magazine』は、これまでにトッド・ハイド、スティーブン・ギルなどの写真家や、日本の写真評論家・竹内万里子なども参加している。今回は、新型コロナウイルスやロックダウンの影響を受けて、キュレーターやライターを中心に、写真の在り方や、展示スペースのあり方を見直すという企画。ロックダウン中の時間を有効活用し、Skypeでこの企画に関わる作家やライターなどとセッションをしたという。その後、メールで詳細に質問のやり取りをしながら作り上げた。『IMA』でもおなじみの写真評論家マーク・フューステルやパリの写真美術館Le Balの書店ディレクター、エミリー・ロウリオラがテキストを寄稿。「ANT!FOTO」は雑誌の発行だけでなく、これまでに鷹野隆大や志賀理江子などの日本人写真家を招き、テーマを設けて展示を開催したり、昨年より、新宿ゴールデン街のKODOJI BARにインスピレーションを受け、写真について気軽にディスカッションできる場所としてANT!FOTO Barを企画したりと、常に意欲的な活動を発信し続けている。
文=糟谷恭子
タイトル | 『ANT!FOTO Magazine』 |
---|---|
価格 | 5ユーロ+送料 |
仕様 | オフセット白黒印刷/500部限定 |
注文先 | boehm@boehmkobayashi.de |
URL |
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。