28 October 2022

IMA next #037 審査員 長島有里枝、
テーマ「SELF-PORTRAIT」にまつわるQ&A

28 October 2022

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IMA next #037 審査員 長島有里枝、テーマ「SELF-PORTRAIT」にまつわるQ&A | SELF-PORTRAIT

毎月IMAが開催するオンライン写真コンテスト「IMA next」では、毎回異なるテーマを掲げ、写真家やキュレーター、編集者などがゲスト審査員となり優れた作品を選出する。10月31日(月)まで応募受付中のコンテストのテーマは「SELF-PORTRAIT」。 審査員のアーティスト・長島有里枝に、今回のテーマに込めた思いなどを尋ねてみた。

Q. 今回のテーマ「セルフポートレイト」に込めた思いをお聞かせください。どのような作品を期待していますか?

A. とにかく、自分と向き合う時間を大切にしてほしい。驚かされるなにか、あるいは感情が揺さぶられるもの。

Q. ご自身でもセルフポートレイトの作品を初期から発表されています。初期作品と現在ではセルフポートレイトに対する考え方も変わっているかと思いますが、いま改めてセレフルポートレイトとは長島さんの表現にとってどういう意味を持っているとお考えでしょうか?

A. いろいろな意味があって、一概にこうとはいえない。暇つぶし、の感覚は大きい。セルフに限らず、そういう作品が好きです。

Q. ご自身がキャリア初期に思い描いていた未来と現在は近いですか? 20、30代のころ、キャリアを築く上で大事にしていたこと、もしくは印象に残っている誰かからの言葉などありましたら教えていただけないでしょうか?

A. 全然違う。キャリアだけじゃなく、人生そのものが思ったようではない。キャリアを積んだりお金を稼いだりすることが幸せだと、社会全体が若者に宣伝しすぎだとすごく思っている。お金ない人も楽しく生きていける、そういう社会にしないと。大事にしてきたのは、嫌なことをしない(結構難しくて、いまだにうまくできない)こと。あと、いいたいことをいう(よう頑張る)こと。印象に残っている言葉もあったと思うけど、いまは思い出せない。

Q. 写真のほかに、キュレーション、文章など、ジャンルを横断する制作について、どのようにバランスを取っていますか?

A. バランス取れてないので、いつもしんどいです。

Q. 大学でも教えたりされていますし、若い世代の写真家と交流されることも多いかと思います。 若い世代の特徴、もしくは前世代との違いを感じる部分はありますでしょうか?(もしくは彼らにメッセージがあればお聞かせください)

A. 未来の世界のために行動している人も、自分とお金のことしか考えてない人もどっちも昔からいて、そういうのは変わらないかな。いまはSNS上の暴言や陰謀論の問題、公共に貢献する意識の低下した企業や政府に対して、危機感を覚えている。わたしたち大人は若者に、自分で考えて行動し、発言し、失敗する機会をもっと与えるべきだと思う。お金だけあげて干渉はしない。評価や、余計なコメントもしない。かといって無関心なんじゃなく、ちょっと離れた場所で見守る。

若い人は自信がないかもしれないけれど、ただ傍観していたり、大人のいうことを聞いていたりする必要ないと思います。評価を気にせず、誰がなんといおうと、自分が満足したものが自分にとっていいものなのだと信じて生きてほしい。失敗を「自己責任」だなんて思わなくていいから、困ったときはなにが必要か伝えてほしいし、頼ってほしい。わたしの時代は、面白いからやってみろ、失敗しても大丈夫だよ、と背後から見守ってくれる大人や社会があったように思うけれど、いまはどうなんでしょう?

Q. 今後の予定を教えてください。

A. 12月に『テント日記/縫うこと、着ること、話すこと。日記』という、2016年に発表した連作の制作日記が上梓されます。来年は1月から3月にかけて、名古屋でアートプロジェクト「ケアの学校」をします。3月にはもう1冊、文芸誌『すばる』で連載していたエッセイ「こんな大人になりました」が単行本になります。

タイトル

「IMA next」THEME #37 “SELF-PORTRAIT”

応募期間

2022年8月29日(月)〜10月31日(月)

応募料金

2,000円/1エントリー

URL

https://ima-next.jp/entry/self-portrait/

長島有里枝|Yurie Nagashima
1973年生まれ。1993年、アート公募展「アーバナート#2」でパルコ賞を受賞し、デビュー。1995年、武蔵野美術大学造形学部資格伝達デザイン学科卒業。1999年、カリフォルニア芸術大学MFA写真専攻修了。2015年、武蔵大学人文科学研究科前期博士課程修了。2001年、第26回木村伊兵衛写真賞受賞。2010年、第26回講談社エッセイ賞受賞。2020年、第36回写真の町東川賞国内作家賞受賞。主な個展に「そしてひとつまみの皮肉と、愛を少々。」(東京都写真美術館、2017年)、近著に『Self-Portraits』(Dashwood Books, 2020) 、2022年に日本写真協会学芸賞を受賞した『「僕ら」の「女の子写真」から 私たちのガーリーフォトへ』(大福書林、2020)などがある。2021年には金沢21世紀美術館で「ぎこちない会話への対応策—第三波フェミニズムの視点で—」展のキュレーションを務めた。京都芸術大学大学院客員教授、早稲田大学、東京大学、武蔵大学非常勤講師。

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