東京・汐留にあるパークホテル東京はアートをテーマとしたシティホテルだ。館内いたるところに作品が飾られ、購入することもできる。また31階は全部屋アーティストが内装を手掛けたアーティストルームが並ぶ。まるでギャラリーのようではないか。
パークホテル東京25階ロビー
新橋・銀座からほど近く、電通や日本テレビ、資生堂本社がありビジネスマンで賑わう汐留エリアは、高層ビルが立ち並ぶ湾岸エリアだ。パークホテル東京が入る三角形のビル、汐留メディアタワーもその一翼を担うスカイスクレイパー。
汐留地下通路直結の同ビル地下から25階のホテルロビーに上がると、34階まで続く吹き抜けのアトリウムが迎えてくれる。この開放感あふれるロビーからアートが目に触れてくる。25階では日本の四季を表現する展覧会ART coloursを実施(冬展示は20年11月30日~21年5月16日)。日本人作家による作品を、このロビーと31階アーティストフロアでプレゼンテーションする。高い壁面に出展作家の作品をモチーフとした映像作品が映し出される様は圧巻だ。アート以外にも、ロビーからは東京タワーなど東京の眺望が美しいのでこちらも楽しみたい。
パークホテル東京に宿泊を決めたらぜひ選びたいのが、31階のアーティストルームだ。パークホテル東京は、作家が滞在し作品制作を行うアーティスト・イン・レジデンスのホテル版、アーティスト・イン・ホテルを2012年12月から2017年7月まで実施。作家がホテルを訪れ、31階各部屋の壁にドローイングを施した。部屋自体がアート作品となっているのだ。
今回宿泊した、水野卓史が手掛けた部屋は「源氏物語」がテーマ。日本文学の最高傑作とも言われる平安色恋絵巻の雅やかで高貴な王朝物語が空間に描かれる。柔らかな、水彩画のようなタッチで描かれた源氏物語は幻想的。王朝時代の空気に包まれて眠るのは心地よいものだ。部屋には作品の説明、外国人旅行者のために源氏物語の英語版翻訳本も用意されている。
また写真家・蜷川実花の従姉である画家・蜷川有紀の「天女」ルームも必見だ。極彩色で緻密なドローイングはどことなく蜷川家のDNAを感じさせる。その他、院京昌子の「百人一首」や右田啓子の「銭湯」、成田朱希の「芸者金魚」など、どちらかというと日本の美を感じられる部屋が多い。キング、クイーン、シングルで31部屋用意されているので、ぜひお気に入りを見つけよう。
部屋だけでなく共用部もアートにあふれているので、滞在中には館内を巡って鑑賞体験ができる。30~34階は回廊に作品を展示。エレベーターを降りると、そこはもう回廊ギャラリー「Corridor Gallery」だ。各階回廊を巡る充実の展示ボリュームなので、アート好きは1日ホテル内で過ごしても飽きないはずだ。
作品展示だけでなく、25階レストラン「アートカラーズダイニング」でもアート作品をテーマとしたメニューなどを楽しむことができる。全館フルにアートに包まれたパークホテル東京は、アート欲を満たしてくれる貴重な滞在空間。東京観光の宿泊に、週末の自分へのご褒美に、もちろんビジネストリップでの使用もいい。気軽にアートに触れながら、豊かな時間を過ごせるホテルであることは間違いない。
店名 | 「パークホテル東京」 |
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住所 | 東京都港区東新橋1-7-1 汐留メディアタワー |
予約 | 03-6252-1100/reservation@parkhoteltokyo.com |
アーティストルーム | 40,000円~ |
チェックイン/アウト | 15:00/12:00 |
URL |
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。