草野庸子は1993年、福島県生まれ。桑沢デザイン研究所卒業。第37回写真新世紀優秀賞(佐内正史選)を受賞し、2015年に写真集『UNTITLED』を自費出版した。
草野自身一年ぶりニ度目の個展となる本展「EVERYTHING IS TEMPORARY」は、3月1日(水)リリースの同名写真集に合わせ開催される写真展。会期中3月3日(金)には、誰でも自由に参加できるレセプションも行われる。
「アルコールを飲み過ぎて酷く頭が重い翌日は大抵決まっていつかの遠いところへ思いを馳せる。
中華屋の赤いテーブルに染み付いた汚れ、履き潰したスニーカー、風に揺れて凪いだ枝、刷り硝子の向こうで青く明ける夜、死んだ花、車窓から見えたピンク色の屋根、雨の匂いのする古い廊下。
いつの情景だろうか、そこに時間軸はなくイメージだけがこびりついている。奥歯にずっと砂がつまっているようなその感覚は、じゃりじゃりと少しづつ不快に私を追い詰める。
写真に写してしまうと今、目の前にあるものでさえとても遠く感じることがある。本当は何もかもが初めから遠く、日々の中ではそれに気付かない、もしくは気が付かないふりをしているだけなのか。写真によってその距離を一枚の真実として突きつけられた時、私は果てのない宇宙に一人取り残されているような気分になるのだ。
雑音が混ざり合った中にある一瞬の寂しさ/ノイズの中にふと現れる冷たさ
あらゆる場所でたくさんの人々が生まれ、それぞれの人生を送る。一時的な喜びも慢性的な悲しみもすべてを過去にしながら 働き、暮らし、そして死んでいく。
忘れることは死よりも遠く、未来はここにある。」―草野庸子
タイトル | 「EVERYTHING IS TEMPORARY」 |
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会期 | 2017年3月1日(水)~3月13日(月) |
会場 | |
時間 | 11:00~20:00 |
休廊日 | 火曜 |
URL | http://www.quietnoise.jp/event/kusano-yoko-exhibition-everything-is-temporary.html |
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。