「オッセルヴァトリオ(Osservatorio)」は、プラダ財団がイタリア・ミラノにオープンした写真と視覚言語のアートスペース。この会場で、6月7日(水)よりIMA所属作家、藤原聡志のアンソロジー展が開催される。
藤原は1984年、兵庫県生まれ。2007年、大阪芸術大学芸術学部卒業。卒業後は東京でグラフィックデザイナーとして働くが、2012年に拠点をベルリンに移し、写真家の活動を開始。藤原は、切り取られた主体から定められた焦点距離を通して、鑑賞者に執拗で批判的な行動を促す。作品の異質な定義はフォトジャーナリズムの基準から、またもっぱらドキュメンタリーという次元から逸れているがゆえに、新しい語彙を生み出している。
本展「EU」には、2016年夏にヴェネツィアでプラダ財団が主催した実験的なメディア研究プロジェクト「Belligerent Eyes|5K Confinement」でも展示された、藤原の最も重要な作品も含まれている。
同プロジェクトも手がけたルイージ・アルベルト・チッピーニによりキュレーションされた本展は、現代の「ヨーロッパ写真のアイデンティティ」の主流とは異なる表現体制の代替案を提案するものである。チッピーニは「現代の写真制作は厳格な規定や影響力、流通基準によって規制されているように思える。ますます多くのフリーランサーが、欧州内外で日常的に社会や政治の出来事を記録するようになり、厳格な基準はないものの、特定の審美的基準やアクセシビリティ、空間、さらにコンテンツ管理方法に従って作品を制作している。こうした状況は、新しい世代の写真家が世に出ることを支持し、公に紹介される機会を広げるものの、どこか平均的でニュートラルな作風に傾くことにもなる」と語っている。
本展は二部構成で、会場の下階に展示されている第一部は、コミッション作品「5K Confinement」を再構築したもの。上階には「#R」(2015年~)、「THE FRIDAY: A report on a report」(2015年)、「Police Brutality」(2015年)、「Venus」(2016年~)、「Continent」(2017年~)、「Animal Material」(2016年~)「Mayday」(2015年)、「Scanning」(2016年)、そして「Green Helmet」(2016年)など、多数の異なるシリーズからの作品を集めたアンソロジー展が展開されている。
タイトル | 「EU」 |
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会期 | 2017年6月7日(水)~10月16日(月) |
会場 | Milan Osservatorio(イタリア・ミラノ) |
時間 | 14:00~20:00(土日は10:00~) |
入館料 | 10ユーロ(26歳以下の割引あり、詳細は公式サイト参照) |
URL | http://www.fondazioneprada.org/project/eu-satoshi-fujiwara/?lang=en |
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