2015年に同ギャラリーで開催した初個展では、20年間未発表だった「Manda-la」シリーズを展示し、大きな反響を呼んだ宇佐美。仏教絵画の「曼荼羅」の如く中心人物を中央に配し、その人物の世界観を表現する作品群は、東日本大震災の被害にあった福島や気仙沼、被曝地の広島などを舞台に日本が抱える問題や歴史、社会の有様を浮かび上がらせた。
本展は昨年、キプロスで開催された「パフォス2017」の公式イベントとして個展の依頼を受けたことを機に、一年間をかけて制作に挑むことになったもの。トルコ語とギリシャ語を主言語とする現地人たちとの片言の対話、民族性の違い、そして政治的な問題を前にし、想像以上に難航を極め、何度も軌道修正しながら両地域の人々との「協働」によってようやく完成した。
誰もが平和を願いながらも世界中ではいまもボーダーを越えることができず対立し、戦争や貧困は続く。この矛盾をすくい取り世界の現状を刻んだ本作は、宇佐美の今後の進展を期待させるものとなっている。
なお会期中の2月24日(土)16:00より、インディペンデント・キュレーターの菊田樹子を迎え、宇佐美によるトークイベントを開催。キプロスでの制作について語る。
タイトル | 「Manda-la in Cyprus」 |
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会期 | 2018年2月21日(水)〜3月24日(土) |
会場 | MIZUMA ART GALLERY(東京都) |
時間 | 11:00~19:00 |
休館日 | 日〜月曜、祝日 |
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