2011年6月より福島第一原発事故の取材を始めた小原一真は、2015年から二年間にわたり32年前に原子力発電所事故を起こしたウクライナ、チェルノブイリへと向かった。小原は約30年前に製造され、立ち入り禁止区域で被爆していた未使用の中判フィルムを偶然譲り受け、それを使用して作品作りに臨んだ。4分から8分にわたる長時間露光と特殊な現像方法によって得られた抽象的な白黒写真は、被害者の言葉とともに展示され、目には見えない放射能がもたらす状況を想起させる。ライトボックス60点を用いて、暗闇から立ち上がってくるイメージの数々は、日本家屋のさまざまな部屋を薄く照らし出しながら、見るものの思考を日本の30年後へと向かわせる。
本作は、世界報道写真展2016「人々の部」1位を受賞。世界45カ国で展示されるとともに、フランスやスペイン、ギリシャを始めとした国際的な写真、アートフェスティバルにも召喚された。
会期中3月2日(土)には、2015年にノーベル文学賞を受賞したスベトラーナ・アレクシエービッチが著した『チェルノブイリの祈り』朗読会、翌3日(日)にはクロージングトークが行われる。
タイトル | 「Exposure / Everlasting – 30年後に見えなくなるもの」 |
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会期 | 2019年2月2日(土)~3月3日(日) |
会場 | photo gallery Sai(大阪府) |
時間 | 13:00~19:00(土曜は10:00~19:00/日曜は10:00~17:00) |
休館日 | 月曜(祝日含む)、木曜 |
入場料 | 【大人】800円【大学生・60歳以上】400円【18歳以下】無料 |
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2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。