中野・ギャラリー冬青で青木弘「樹平線」展が12月4日(金)より開催される。
写真家・ジャーナリストとして活動する青木。アフリカや中東で続く内戦を撮り続けて約10年、意義を持ち続け紛争地へ行き、長い間現地を追い続けた青木にふとよぎったのが、この行為が「現地の誰かを傷つけたり、不安にさせたりするのではないか」という考えだった。
青木は万が一のためにドライバーや通訳、フィクサーと呼ばれるコーディネーター、そして武装したボディーガードを雇った上で取材を敢行する。しかし気付けばこちらを不安そうな顔で覗き見る子ども達、カメラを構えてシャッターを切る自身、その瞳の中に映った僕の周りには、取材のリスクを減らす為に僕が雇ったコーディネーターやボディーガードたち、数人の大人達が映り込んでいたという。その瞬間、青木は、自身を目撃者であると同時に“被目撃者”でもあったのだと気付いていく。
「僕は今でも考え続けている。これからも考え続けるだろう。現地で写真を撮って、世界へ向けて発表することにどんな意味があるのか?と。僕のこの行為がいったいどれだけあの子たちの為になっているのか。食べ物を与えることも出来ないし、怪我や病気も治してやれない。不安や恐怖を取り除いてやることも笑顔にだってしてあげられない。出来もしない宿題ばかりが増えていく。(中略)間違いなく彼らは見ている。文化も歴史も距離も世代も超えて僕たちのことを見ている。」―ステートメントより抜粋
タイトル | 「樹平線」 |
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会期 | 2019年12月4日(金)~12月21日(土) |
会場 | ギャラリー冬青(東京都) |
時間 | 11:00~19:00 |
休館日 | 日月曜、祝日 |
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