新中野・ギャラリー冬青で萩原義弘「鍰」(からみ)展が11月1日(金)より開催される。
タイトルにもなっている「鍰」とは銅などの鉱物を精製するときに生じる廃棄物で、それを煉瓦状に固めたものがカラミ煉瓦のことを指す。青黒かったり赤黒かったりするカラミ煉瓦は、ほとんどが鉄とケイ素でできており非常に重く光が当たると鈍く輝く。多くは建物の土台や塀などに使われているが、鉱山近くの町には、カラミ煉瓦の蔵なども存在する。ほぼ日本全国で見られるが、本展では主に東北や北信越の銅山で撮影した作品が展示され、カラミ煉瓦の独特な美を表現する。
日本では明治40年頃から銅山や製錬所などで大量に作られるようになった。その背景には日露戦争後の未曽有の好景気によって金属鉱業が発展し、特に軍需性が強い銅の国内需要が着実に増大したことによると思われている。しかし、第一次大戦終結後に発生した戦後恐慌によって金属鉱業も打撃を受け、生産性の悪い銅鉱山は閉山していった。秋田県の荒川鉱山のように昭和15年に閉山するまでカラミ煉瓦を製造していた鉱山もあるが、明治末から大正にかけて作られたものが多いとされている。
タイトル | 「鍰」 |
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会期 | 2019年11月1日(金)~11月30日(土) |
会場 | ギャラリー冬青(東京都) |
時間 | 11:00~19:00 |
休館日 | 日月曜、祝日 |
URL | http://www.tosei-sha.jp/TOSEI-NEW-HP/html/EXHIBITIONS/j_1911_hagiwara.html |
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。