榎本千賀子「人為のかたち 福島県大沼郡金山町」展が、東京・馬喰町のKanzan Galleryで開催中。
学生時代に作品制作を始めた榎本は、当初自らの生活圏である東京西部の住宅地にカメラを向けた。「どこにでもありそうな」風景を写真として切り取ることから立ち現れる、空間の固有性を顕にした作品は、私たちを取り巻く空間や風景、そこに見え隠れする人の営みや所作、そして写真と視覚の不思議について思索を促すものだった。 2013年に新潟市に居を移した榎本は、日本海と信濃川に接し、水と共に変化してきたこの都市を被写体とする作品に取り組み、その一方で福島と新潟の県境にある金山町を撮影し続けてきた、角田勝之助という稀有な才能を持つアマチュア写真家との出会いを通じて、同地と関わりを持ち始める。そして、2016年から2019年まで金山町で暮らし、町の映像遺産の調査・整理・デジタル化にあたるとともに、作品制作を行った。豪雪の山間地に位置する人口約2,000人の町で、榎本は斜面に作られた小さな畑や暮らしの中で用いられるさまざまな道具などを見つめることで、人為のあり様を浮かび上がらせた。
本展では、金山町で撮影された作品と日常生活の中で記したテキスト、映像遺産の調査から発掘された写真や町の人の記憶をまとめたテキストなどで構成。自然と人為が交錯する空間から、私たちは何を読み取り、感じることができるのか、ぜひギャラリーで確かめてほしい。
タイトル | Kanzan Curatorial Exchange 「風景」vol.1「人為のかたち 福島県大沼郡金山町」 |
---|---|
会期 | 2019年3月13日(金)~4月12日(日) |
会場 | Kanzan Gallery(東京都) |
時間 | 12:00~19:30(日曜は12:00~17:00) |
休廊日 | 月曜 |
URL |
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。